■自己肯定感とDBDマーチ

非行や問題行動といった反社会性は、ADHD→ODD→CDというように進行していきます。
ADHDを抱えた人たちは、感情のコントロールに弱さがあり、すぐにカッとなって、多動性―衝動性から暴力に発展する可能性が高い傾向があります。ですから、ADHDを抱えた子の表面的な不注意や衝動的な面にとらわれて叱ってばかりいると、自己肯定感が失われてしまい、自分を必要以上に卑下して自暴自棄になったり、自己肯定感を与えてくれない社会へ憎しみを抱いたりするようになるのです。
そして次第に反抗的な行動が目立ち始めます。この段階を、ODD(反抗挑戦性障害)といいます。さらに進行して万引き等の触法行為や暴力行為が目立ち始めた段階がCD(行為障害)です。このADHDからの反社会性の進行を「DBDマーチ」と呼んでいます。
この進行を止めるためには、自己肯定感を高めることが大切です。さまざまな調査結果でも非行少年の「自己肯定感」の低さが指摘されています。ADHDの子どもの行動力があり、人の気持ちがよくわかるといった強みにも目を向けるようにしてみてください。